第191話

ダリア視点

母を亡くし、その悲しみの重さに耐えきれず心が壊れていく父の姿を見ているだけで、運命のつがいなど二度と受け入れるまいと誓うには十分だった。だが、フィニアン・ブラックウェルとの関係は、その決意を決定づける「棺の最後の一本の釘」となったのだ。

フィニアン――今やアルファ・ブラックウェルとなった彼は、私が必要としていた時、まさに私のすべてだった。私たちの父は義務によって結ばれていた。彼の父はアルファとして、私の父はそのベータとして。だから生まれた瞬間から、私たちの人生は絡み合っていたのだ。私たちは片時も離れず、並んで育った。ガンマ・ケスラーの子であるサイラスとジョヴィ、そして筆頭オメガ...

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