第207話

ダリア視点

思考の嵐が頭の中を激しく吹き荒れていた。こいつの名前は何だっけ? それになんで二人とも、私が自分のものだと言わんばかりの態度なの?

どうしてリアムは双子だって教えてくれなかったの?

それに、どうして私はもっと激怒していないわけ?

いや、待って――私は怒ってる! それに怯えてもいる!

事の重大さがのしかかり、息ができなくなりそうだった。叫び出したいのに、言葉が喉に張り付いて出てこない。一方、私の中にいる狼のブルーは全く役に立たなかった。彼女にとっては、これが史上最高の出来事らしい。『二人とも私たちのものよ! 両方とも手に入るの!』彼女は頭の中で歌うようにはしゃいでいる。

思考の...

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