第21話

どうにかこうにか、双子と顔を合わせることなくシフトをやり過ごすことができた。トイレで気持ちを落ち着かせてから外に出ると、彼らの姿はすでになく、私は安堵の息をつく。だが、ジェニーからメモを手渡された瞬間、そのささやかな喜びはあっけなく消え去った。

「これ、あんたに渡してくれって頼まれたんだ」ジェニーは眉をひそめて言った。「あいつら、あんたに手を出したりしてないよね?」

「うん」私は首を振った。それ以上の説明はしなかった。

「ならいいけど」ジェニーは頷いた。「女に手を上げる男なんて、最低のクズだからね」

「同感」私は短く答える。

「ほら」ジェニーはぶっきらぼうに言った。「何かあった時のた...

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