第221話

リアム視点

食堂に近づくにつれ、楽しげな話し声が大きくなってきた。夕食を待ちきれない群れの仲間たちが集まっているのだ。俺はこの群れにある「家族」という感覚をずっと大切にしてきた。最大規模の群れの一つでありながら、メンバーの絆は深く、常に共同体を優先している。それが最も顕著に表れるのが食事の時間であり、笑い声と仲間意識がその場を満たしていた。

しかし、人の多さにリアが不安を感じていることに俺は気づいた。

ローガンも同時に感じ取ったに違いない。俺たちは本能的に彼女に寄り添い、自分たちの存在で彼女を安心させようと無言のまま動いた。

ホールに足を踏み入れた瞬間、おしゃべりは静まり返った。俺とロー...

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