第231話

リアム視点

「しっかりつかまってろ!」

湖へと続く悪路に差し掛かった瞬間、俺はそう警告した。

普段なら、アクセルをベタ踏みしてトラックを跳ねさせ、オフロードの醍醐味を存分に味わっていただろう。だが、リアが同乗している今は、いくら道が荒れていようとも、アクセルを踏む足は慎重にならざるを得ない。ローガンはリアを抱き寄せる腕に力を込め、車体が揺れるたびに顔色を悪くしている。彼女が怪我をするなんて、たとえ掠り傷ひとつだとしても、俺たちには耐え難いことだった。

一方、リアは全く意に介していない様子だ。彼女は興奮した叫び声を上げ、まるで人生最高のアトラクションに乗っているかのように声を上げて笑ってい...

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