第263話

ローガン視点

「どこへ行くの?」

群れの屋敷を出てから、もう百回は聞いたであろう質問をリアが繰り返した。その声には焦りの色が滲んでいる。

「愛しい君、『サプライズ』の意味が分からないのかい?」

私は笑って答え、彼女の手をぎゅっと握り締めた。

「もうすぐ着くよ。あと数分だけ我慢してくれ」

「忍耐力なんて、私のスキルセットにはないのよ」と彼女は不満げに呟いた。だが、カーブを曲がり、その壮大な景色が視界に飛び込んできた瞬間、彼女のすべてが変わった。目は大きく見開かれ、唇は驚きに開き、まるで月が口づけをしたかのように表情が輝きだしたのだ。

それこそが、私が見たかった反応だった。

「わあ……すご...

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