第268話

リアム視点

俺はベッドの端に腰掛け、膝の上でノートパソコンのバランスを取りながら、頭の中の混乱を仕事のメールでかき消そうとしていた。一方、ローガンは檻の中の獣のように部屋を行ったり来たりしている。ブツブツと呟いているのは、間違いなく自分の『狼』と会話しているからだ。彼から発せられる苛立ちが狂おしいほどだ。自分の感情を抑えるだけでも精一杯なのに、彼の落ち着きのないエネルギーのせいで、我慢の限界が近づいていた。

永遠にも思える三十分が過ぎ、俺はついにキレた。「戻って番(つがい)の様子を見に行こう」と提案しようとした矢先、二人の携帯が同時に鳴った。俺がポケットに手を伸ばすと同時に、ローガンはドレ...

ログインして続きを読む