第334話

リアム視点

俺たちは警戒しながら西門へと近づいた。敵意がないことを示すために両手を上げている。空気は張り詰め、一歩一歩が慎重になる。一人の衛兵が姿を現し、入口から少し離れた場所で俺たちを出迎えた。

「何かご用でしょうか?」彼は腕を組み、こわばった拒絶的な姿勢で尋ねた。愛想笑いなど浮かべる気配もない。

「俺はローガン・アシュフォード。こっちは弟のリアムだ。ブラッドムーン・パックのアルファだ。そちらの領土への立ち入り許可を求めに来た」ローガンは平坦な声で言った。そこには飾り気も温かみも一切なかった。

衛兵は眉をひそめた。「到着の知らせは聞いておりませんが。アルファ・フェイランとは約束が?」...

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