第54話

「どうして下を履いていないんだ、お人形さん?」イーサンの熱い吐息が耳をくすぐり、背筋にゾクリとした戦慄が走る。彼の指先が私の剥き出しの腰をなぞり、さらに奥へと進もうと焦らすように動き回った。

言葉が喉に詰まり、彼の手から逃れられないまま、頬がカッと熱くなった。彼の欲望が私のそれと混じり合い、肌を焼き尽くすような陶酔感を生み出していく。私に触れたい、私を完全に自分のものにしたいという彼の渇望の強さは、手にとるように分かった。それは私の内側で感覚の野火を点火し、圧倒的で、それでいて高揚させるものだった。

二人の間を駆け巡る感情の渦の中で、私が意識できたのは、腰を滑るイーサンの手と、お尻に押し付...

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