第4章

 俺は足元をふらつかせながら、家中の部屋をひとつ残らず見て回った。

 だが、この家から咲良が生活していた痕跡は、これ以上ないほど完全に消し去られていた。

「あなたと一緒なら、どこへだって行くわ」――そう言っていた咲良が、現実には、クソみたいに俺を捨てて消え去ったのだ。

「涼真!」

 俺は助手のスマートフォンに電話をかけ、怒鳴り散らした。

「ありとあらゆるツテを使え! 空港も駅も全部だ! 手段は問わない――何が何でも咲良を見つけ出せ! 見つけられなかったら、お前ら全員クビだからな!」

 玄関のチャイムが鳴り響いた。俺は溺れる者が流木にすがりつくかのように、その音に飛びついた。

「...

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