第88章

治療が終わって、石川七海も外から戻ってきた。

執事から二人がおじいさんの治療をしていると聞いて、そのまま二階の石川おじいさんの部屋へと向かった。

「おじいさん、お体の具合はどうですか?」部屋に入るなり、石川七海は心配そうに尋ねた。

石川おじいさんは軽く頷いて、「だいぶ良くなったよ」と答えた。

彼はこれほど長く生きてきて、漢方医の治療法についてもそれなりに理解があり、これまで数え切れないほどの名医を見てきた。

しかし、この江口先生は心から驚かされるものがあった。

針を打つたびに、自分の体調が明らかに良くなっていくのを感じることができた。

こんな腕前は、有名な漢方医でさえ必ずしも持...

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