第3章

バイパーから与えられた任務は三日かかるはずだった。だが、私は一日で終わらせた。

残りの接触相手を追うのにもっと時間が必要だと嘘をつき、その足で踵を返してまっすぐ基地へと車を走らせた。彼は私がまだ外で後始末に追われていると思っている。完璧な隠れ蓑だ。

イザベラ・ロドリゲス、どこの馬の骨とも知れないガキ一匹で、全てが変わるとでも思っているのか?

基地の監視室で、私はスクリーンを見つめていた。画面の中では、イザベラが自室で気楽そうに妊娠雑誌をめくっている。腹はすでに膨らみ始めていた。忌々しい、彼女の中で育っているアレが。

この茶番も、もう終わりだ。

モニターの電源を切り、引き出しから鋭いメスを抜き取る。刃が光の下で煌めいた。初めてバイパーがその使い方を教えてくれた時のように。「覚えておけ、カタレヤ。綺麗な切り口こそがプロの証だ」と、彼は言った。

今、私はその教えを使って、私たちの関係を守るのだ。

国境近くに佇む廃墟、サン・ミゲル病院。かつては不法滞在者たちの中継地点だったが、今では注射針が散らばる、ただの朽ち果てた抜け殻だ。うってつけの場所だった。

二時間かけて、地下のオペ室を準備した。錆びついた手術台は漂白剤で磨き上げたが、染みは頑固に表面にこびりついたままだ。少なくとも、もう悪臭はしない。

非常灯が病的な白い光を放ち、部屋全体がまるで屠殺場のように見えた。テーブルの脇には、メス、鉗子、止血鉗子、そして一巻きのナイロンロープといった様々な道具を並べる。

準備は整った。

携帯を取り出し、イザベラにテキストメッセージを送る。「バイパーが怪我をした。サン・ミゲル病院に来て。地下三階よ」

送信。

そして隅に座り、メスを弄びながら待った。刃先で指の腹をなぞると、細い血の線が浮かび上がる。その痛みが、私をさらに昂らせた。

「さあ、ちょっとした手術の時間だ」虚空に向かって囁くと、唇が残酷な笑みに歪んだ。

二十分後、慌ただしい足音が聞こえた。

イザベラが地下室のドアを突き破るように入ってきて、不安げに叫ぶ。「バイパー?どこにいるの?怪我は?」

手術台のそばに座る私を見て、彼女の表情が瞬時に変わった。心配から困惑、そして恐怖へと。

「カタレヤ?バイパーはどこ?彼は大丈夫なの?」

私はゆっくりと立ち上がり、手の中でメスを回転させる。「バイパーなら無事よ。それどころか、私がここから二百マイル離れた場所で、まだ納入業者を追っていると思ってる」

イザベラは本能的に腹を庇いながら後ずさった。「嘘だったの?どうしてこんなことを……」

「このクソみたいな芝居にうんざりしたからよ」一歩、また一歩と詰め寄る。「どこの馬の骨とも知れないガキ一匹で、私のこの五年間の立場を奪えると思ってるわけ?」

彼女の目に何かが閃いたが、捉えるには速すぎた。だが次の瞬間には、あの哀れでか弱い表情に戻っていた。

「カタレヤ、あなたの代わりになろうなんて思ったことはないわ。私はただ――」

「黙れ!」私は彼女に飛びかかり、喉元にメスを突きつけた。「ただ、何だって?ただ家が欲しかった?愛されたかった?馬鹿言わないで!あんたは彼のもの全てを欲しがってるじゃない!」

意外なことに、イザベラはもがかなかった。普通ならヒステリックに叫ぶか、逃げようとする場面だ。だが彼女は、奇妙なほど落ち着いた様子で私を見つめるだけだった。

「これであなたの気が済むなら、どうぞ」と、彼女は静かに言った。

それが、かえって私の神経を逆撫でした。私は彼女のこめかみを殴りつける。途端に彼女はぐったりと力を失った。そのまま手術台まで引きずり、手足をロープでしっかりと縛り上げた。

彼女が目を覚ました時、青白い非常灯の光がその顔を照らしていた。彼女は瞬きを繰り返し、光に目を慣らそうとしている。

「無駄よ。ロープは頑丈だから」私は彼女の横で手術器具を弄びながら言った。「最高の師匠に教わったの」

「カタレヤ、お願い……」イザベラの声が震え始める。「私は何も悪いことしてない……ただ、家が欲しかっただけ……」

「家?」私は冷ややかに笑った。「ここはあんたの家じゃない!私の家よ!バイパーは私の『お父さん』なんだ!」

私は彼女のシャツをまくり上げ、わずかに膨らんだ腹部を晒した。妊婦の肌は、まるで卵の殻のように、ことさら脆く見えた。

「この世界が、美しいものをどうするか知ってる?」私はナイフの先端で彼女の腹をなぞった。「壊すのよ。一つ残らず、毎回ね」

イザベラの目に涙が浮かんだ。「お願い……赤ちゃんを傷つけないで……お願い……」

「麻酔はなし。全てをはっきりと感じてもらうわ」私はメスを振り上げた。「私のものを脅かす、他の奴らと全く同じようにね」

刃が皮膚を裂く音は、羽が落ちるように静かだったが、イザベラの絶叫が地下室の静寂を引き裂いた。

「赤ちゃん……お願い……やめて……」彼女の声は痛みで掠れていた。

血が噴き出し、手術台と私の手を染め上げた。でも、私は止めなかった。探していたものを見つけるまで、切り続けた。

小さな胎児は、まだ形も定まっておらず、ひどく脆く見えた。私はそれを鉗子で慎重に取り出し、イザベラの目の前に掲げた。

「あんたが頼りにしてたのは、これ?」私は冷たく言った。「こんな、小さなもの?」

イザベラは胸が張り裂けるような叫び声を上げ、そして気を失った。

それから三時間、私は機械的に現場を片付けた。血、肉片、全ての悍ましい証拠を慎重に処分する。血の鉄臭い匂いはコンクリートに染みつき、消毒液の匂いと混じり合って、死だけが持つあの独特の香りを生み出していた。

だが、一番重要なものは残しておいた。

携帯で写真を撮り、バイパーにメッセージを添えて送る。「お父さんへの、贈り物よ」

そして廊下に座り、待った。非常灯が時折ちらつき、壁に踊る影を落とす。爪を掃除し、銃に弾を再装填し、上の階から引きずってきた座り心地の悪いプラスチックの椅子で、しばらくうたた寝さえした。

何時間も過ぎた。手術台の血は凝固し始め、黒ずんでいく。病院の壊れた換気システムがぜいぜいと音を立て、まるで建物そのものが死にかけているかのようだった。

彼は分かってくれる。生き残る術を、殺す術を教えてくれたのは彼だ。きっと、私を誇りに思うはずだ。

だが、ようやく重い足音が廊下に響き渡った時――国境に闇がすっかり下りた後だった――聞こえてきたのは、称賛ではなく、怒り狂った咆哮だった。

「カタレヤ!クソッ、どこにいやがる!」

バイパーの声は怒りに満ちていた。彼はマヌエルと他の男二人を連れて病院に突入してきた。手術室の血の海の中にいるイザベラを見た瞬間、彼の顔は紙のように真っ白になった。

「ちくしょう……何てことをしやがったんだ、お前は?」

私は隅から姿を現した。何時間も掃除したにもかかわらず、手にはまだ血がこびりついている。「私たちの家族を守ったのよ」

「気でも狂ったのか!」バイパーは私に向き直った。その目は、今まで見たこともないほどの怒りで燃えていた。「彼女はただの罪のない女だった!俺の子を身籠っていたんだぞ!」

「彼女が私たちを脅かした!」私は言い返した。「私に取って代わろうとしたのよ!」

「だから殺したのか?俺の子供を殺したのか?」バイパーは銃を抜き、その銃口を私に向けた。

この五年で、彼が私に銃を向けたのは初めてだった。その瞬間、心臓が止まるのを感じた。

「俺がお前を救ったのは命を与えるためだ、他人の命を奪うためじゃない!」彼の声は震えていた。「生き残る術は教えたが、化け物になれと教えた覚えはない!」

「化け物?」骨の髄まで冷えるのを感じた。「殺し方を教えたあなたが、今更私を残酷だと言うの?これがあなたの教えた生存方法よ!あなたが私をこうさせたんじゃない!」

「俺は決して――」

「バお父さんは今まで何人殺したの?」私は彼の言葉を遮った。「その手にどれだけの血がついている?お父さんに私を説教する資格なんてあるわけ?」

彼の手が震え始めた。その目に浮かんだのは恐怖。私に対する恐怖ではなく、自分が創り出してしまったものへの恐怖だった。

「お前の言う通りだ」彼は静かに言った。「俺は化け物を創った。俺自身の、化け物をな」

手術室から、か細い呻き声が聞こえた。イザベラはまだ生きていた。大量に出血したものの、息はまだあった。

バイパーはすぐさま駆け寄り、手術台のそばに膝をついた。「イザベラ……しっかりしろ……病院に連れて行くから……」

彼はマヌエルに向き直った。「救急車を呼べ!今すぐだ!」

だが、たとえ彼女が助かったとしても、私たちの間の全てが、もう修復不可能なほど壊れてしまったことは分かっていた。バイパーが初めて私に銃を突きつけたあの瞬間、五年にわたる私たちの関係は、完全に砕け散ったのだ。

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