第4章
血の鉄臭い味がまだ鼻の奥に残っている中、バイパーはまるで別人になっていた。
私は彼の執務室の戸口に立ち、壁一面の忌々しい写真を見つめていた。そこには、この五年間の私の「功績」がびっしりと貼られていた――私が殺したすべての人間、すべての標的、バイパーのために流させた血の一滴一滴が。
「入れ」その声は、国境の夜風のように冷たかった。
バイパーはオーク材のデスクの後ろに座り、目の前には私のグロック19、特注のナイフ数本、そして札束の詰まった黒いブリーフケースが広げられていた。私の武器。私の金。
「これらはもう君には必要ない」バイパーは私に視線も向けず、私の装備を一つ一つケースにしまい、鍵をかけ始めた。「君はもはや、私が信頼する人間ではない」
私は、彼がそれぞれの武器をまるで無価値なもののように扱うのを眺めていた。だが、彼が私の蛇柄のナイフ――初めて彼からもらった一本――に手を伸ばしたとき、私は一歩前に出た。
「それだけは駄目だ」
彼は手を止め、刃の上で動きを止めた。一瞬、その目に何かが揺らめいた。「これは君の最初のものだ」
「ああ。そして、これは永遠に私のものだと言ったはずだ」
彼はナイフに目をやり、それから私に視線を移した。やがて、デスクの上を滑らせてこちらへ押しやった。「持っていけ。手切れ金だと思え」
私はその刃をひったくり、ブーツに滑り込ませた。
「ふざけるな。これが五年間の忠誠への報いか? よそ者の女一人のために?」
彼は顔を跳ね上げ、その目に怒りを燃やした。「お前は罪のない子供を殺した! あれは敵じゃない、命だったんだ!」
「罪がない?」私は冷たく笑った。「あの女は私の居場所を奪うために、自分のガキを連れてここに来た。どこに罪がないって言うんだ?」
「自分の言っていることが分かっているのか!」バイパーはデスクに拳を叩きつけた。「私がお前を救ったのは、新しい人生を与えるためだ。殺戮機械を創り出すためじゃない。お前は私自身の失敗を私に見せつけた」
「へえ、そうなの?」私は一歩踏み出し、声に冷たさを込めた。「五年も人の殺し方を教え込んでおいて、今さら私が冷酷だって言うわけ? 正気を保つためにあんな薬に頼らせておいて、今になって善人面するの?」
私は壁の写真を指さした。「この全てを私に教えたのは誰だ? 『強い者だけが生き残る』と私に言ったのは誰だ?」
バイパーの顔は蒼白になったが、言い返してはこなかった。私が真実を語っていると分かっていたからだ。
背を向けて立ち去ろうとしたが、彼の声が追いかけてきた。「カタレヤ、もし次イザベラに手を出したら……」
「どうする?」私は振り返り、反抗心に満ちた目で彼を見据えた。「私を殺すか? お父さんを裏切った他の連中みたいに?」
彼は答えなかった。だが、その目に答えは見えた。
医務室は消毒液の匂いが充満していた。
ドアを押し開けると、あの女が利用可能な中で最高のベッドに横たわり、最新鋭の監視装置に繋がれているのが見えた。二人の医師が彼女の周りを忙しなく動き回っていた。一人はサン・アントニオから呼び寄せられた専門医だ。
「容体は?」背後からバイパーの声がした。
「深刻な失血状態ですが、バイタルは安定しています」医師は汗を拭った。「ですが、大量の血漿輸血と抗生物質が必要になります」
「金は問題じゃない」バイパーはためらわなかった。「最高の薬を使い、最高の医者を呼べ」
かつては数百ドルを惜しんで私に自分の傷を縫わせた男が、この女のためには数万ドルを費やすことも厭わない。
「バイパー、私の薬が……」私は口火を切った。
「何の薬だ?」彼は振り返りもしなかった。
「分かっているはずだ。精神薬だ。もうすぐ在庫が切れる」私は歯を食いしばった。発作を抑えるのにあの忌々しい薬が必要だと認めたくはなかった。
「今は、お前より彼女の方がそれを必要としている」
たったそれだけ。こんな簡単な言葉。五年間築き上げた関係が、その言葉だけで破壊された。
「分かった」私は歯を食いしばりながら言った。「よく分かった」
ドアに向かったが、部屋を出る直前、イザベラの弱々しい声が聞こえた。「あの子は諦めない……気をつけて、次はあなたの番よ」
私はドアを叩きつけるように閉め、廊下で立ち止まった。そして、手当たり次第に物を壊し始めた。
花瓶、写真立て、壁の装飾――壊せるものは何でも破壊した。ガラスの破片が手を切り裂いたが、その痛みがむしろ私を覚醒させた。
「クソ野郎が!」私は天井に向かって叫んだ。
その夜、私は行動を起こした。
貯蔵倉庫は地下にある。私はこの場所の隅々まで知り尽くしていた――全てのカメラの死角、全ての警備員の交代時間、全ての錠の組み合わせを。
コカインは密封されたプラスチックの塊で保管されていた。私は三キロを掴んだ――必要な資金を賄うには十分だが、すぐには紛失に気づかれない量だ。
二日後、私は国境の闇市場へと向かった。
テーブルの上に、三キロの純コカインを置いた。買い手はエンリケという名のメキシコ人で、顔に傷があり、貪欲な目をしていた。
「これはいくらになる?」私は単刀直入に尋ねた。
「上物だな」エンリケはそれを検分した。「十万ドルだ」
「現金と、殺し屋へのコネが欲しい」
「誰を殺したいんだ?」
「バイパーの医務棟にいる女だ」私はイザベラの写真を取り出した。「名前はイザベラ・ロドリゲス」
エンリケは口笛を吹いた。「バイパーの女を殺るってのか? そりゃ安くはねえぞ」
「いくらだ?」
「五万ドル。それに、手付金としてこの品物をもらう」
私は頷いた。お父さんがあの女を選んだんだ、二人で地獄に落ちろ。
「いつ動く?」
「今夜だ」エンリケはにやりと笑った。「シナロアから来たプロ中のプロ、最高の殺し屋が三人いる」
「条件は一つだけ――あの女を確実に殺せ」
「問題ないさ、チカ。金が渡れば、人は死ぬ」
アジトに戻る頃には、夜も更けていた。私はまっすぐ自室に向かい、荷造りを始めた。
午前三時、私の電話が鳴った。
「任務失敗だ」エンリケの声は緊迫していた。「あの女は医務室にいなかった」
「どういうことだ?」
「移動させられていた。俺たちの部下が行った時には、部屋はもぬけの殻だった。それに、これを残していきやがった」
カメラのシャッター音が聞こえ、続いて写真メッセージが届いた。写真には、私の特注のナイフ――あの蛇柄のナイフ――が、医務室の枕に突き立てられているのが写っていた。
クソッ。私だとバレた。
だが待て。あのナイフは私のブーツにあったはずだ。私はブーツに手を伸ばし……何も感じなかった。
いつの間に抜きやがった?
「バイパーの部下に見つかったか?」
「まだだ。だが、時間の問題だろう」
電話を切り、思考を巡らせた。イザベラは生きているだけでなく、私が想像していた以上に賢い。どういうわけか私のナイフを手に入れ、事前に危険を察知し、意図的に私を指し示す証拠を残していったのだ。
あの女、一体何者だ?
私は窓辺に歩み寄り、遠くに見えるメキシコの国境を眺めた。月明かりの下、有刺鉄線のフェンスが傷跡のように大地を横切っている。
五年前、バイパーは私をあの向こう側からこちら側へ連れてきて、新しい人生を約束した。今、私が戻る時が来たのかもしれない。
だが、去る前に、このゲームから誰も生きて抜け出させないと、確実にしておく必要があった。
もう私がいらないって言うなら、お父さん、私を失う代償がどれほどのものか、教えてあげる。
