第6章

「それは……それは違う……」

 セリーナは、床がぱっくり割れてそのまま自分を飲み込んでくれたらいいのに、とでも言いたげだった。画面を見つめたまま、微動だにしない。唇は血の気のない一文字に結ばれている。

 ジェイクが警備担当者へと身を乗り出した。「早送りして。続きを見せてくれ。彼女のあとに出てきた別の誰かがいるはずだ」

 技術担当は警官に視線を向け、警官は小さくうなずいた。映像が加速する――四倍、八倍、十六倍。タイムスタンプが午後を駆け抜けていく。一時。二時。三時。四時。

 その屋上に出入りした者は、ほかに誰もいなかった。

 ゴールデンウィークだ。ビルは人影もない。丸一日あの扉を使っ...

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