第7章
小百合を抱いて家に帰る。
ドアを開けると、リビングに人が大勢いることに驚いた。
渡辺さん一家と矢野さん一家が揃っており、さらにスーツ姿の見知らぬ人たちも数人いる。
父はソファに座っていたが、その顔は恐ろしいほどに険しかった。
「明里」
父は立ち上がり、分厚い研究資料の束を私に手渡した。
「ここ数年、お前のような少女の昏睡事件が百件以上にものぼっている。お前のように戻ってきた者もいれば……二度と現れなかった者もいる」
資料をめくると、若い少女たちの写真が次々と目に飛び込んできた。彼女たちの笑顔は、システムに選ばれたその瞬間に固定されている。自分の手が震え始め、自分がも...
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