第178章 自分を何様だと思っているんだ

二日後、北条千雪は退院した。

顔色は相変わらず透けるほど青白く、唇には血の気がない。細い身体は、ひと吹きの風で折れてしまいそうだった。

メモリアルハイツに戻り、ドアを開けた瞬間――ソファに鷹司京介が座っているのが見えた。指先には煙草。ゆらゆらと漂う煙が表情を隠しているのに、圧だけは真正面からぶつかってくる。

北条千雪は驚かなかった。

この男はいつだってそうだ。気まぐれに現れて、彼女のすべてを握る。

千雪の手には、デザインコンペの通知書が一枚。

それを握ったまま、ゆっくりと彼の前へ歩み寄る。声は羽毛みたいに軽い。

「鷹司社長。来週、隣の街でデザインコンペがあって……三日で戻ります...

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