第38章 どうか絶対に許さないでくれ

浅倉昭彦には、鷹司京介が北条千雪をああまで扱う理由が理解できなかった。怒りに突き動かされるまま、一歩前へ出る。

「鷹司京介、お前――目、腐ってんのか? 見りゃ分かるだろ。千雪は相当弱ってる。昨夜ずっと高熱で、今も下がってない。喉だってひどい状態だ。妻の心配ひとつしないどころか、よくもそんなことができるな。男として恥ずかしくないのか」

言い終えた瞬間、鷹司京介は口の端をつり上げた。

面白がるような、薄い笑み。

――まさか、ここまで彼女を気にかける人間がいるとは。

悪くない。実に、愉快だ。

北条千雪の身体がびくりと震える。あの表情を見た途端、背筋が冷えた。

喉の奥を刺す痛みをこらえ...

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