第39章 彼女こそ犯人

北条千雪が目を覚ました時も、まだ床に転がったままだった。きしむ身体を無理やり起こし、個室の扉を押し開ける。

宴会場は真っ暗で、誰ひとりいない。音も、気配も、全部消えていた。

ふらふらと出口まで歩くと、見張りの警備員がぎょっとして身を引いた。

午前3時。髪は乱れ、唐突に現れた女の顔は虚ろで、とりわけ目に光がない。怖くないはずがない。

「お嬢さん……どうしてここに? タクシー呼びましょうか!」

北条千雪は答えない。外へ出て、道へ降りる。ゆっくりと、闇の中へ溶けていった。

どれだけ歩いたのか、ようやく別荘に辿り着く。ハイヒールを脱いで初めて気づく――かかとは血でべったりだった。

痛み...

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