第43章 彼女が焦れば焦るほど、彼は嬉しい

北条千雪は好奇心に駆られて彼女を見た。すぐに紙の上へ、さっきと同じように「?」を描く。

菅田美月が説明した。

「見たいのは、私がどうしてこの名簿を知ってるか、でしょ。私、今回の大会の審査員なの。参加してくれて本当にうれしい。でも……今の体調、大丈夫?」

北条千雪は首を横に振る。出られるかどうか、自分でも分からない。体調そのものは些細な問題だ。深刻なのは、頭の中が空っぽで――何ひとつ、ひらめきがないこと。

菅田美月は彼女の手を握った。

「千雪、絶対に行かなきゃ」

北条千雪は、菅田美月の目に薄く涙が滲んでいるのを見て、どうしてここまで自分に優しくしてくれるのか、ずっと分からなかった。...

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