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胸にじわりと広がる痛みを押し殺そうとして、私はウェイクから顔を背け、私たちを取り巻く部屋の様子を見渡した。

展示室のあらゆる場所が、隅々まで行き届いた手入れで輝いている。録音されたナレーションの低い声が背景音として流れ、他の来館者たちのくぐもった足音と自然に溶け合っていた。

私たちは、ひときわ目を引く長い展示ケースの前で足を止めた。ガラスの向こうには、時が止まったかのような彫像が並び、その一つひとつが奇妙で美しい海の生き物を表現している。細部の作り込みは息をのむほどで、何百時間もかけて彫り、形を整え、彩色したであろう職人たちの執念が伝わってくるようだ。

ウェイクが身を乗り出す。肩は強張り...

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