第127章

ウェイクはすでに立ち上がり、全身を弓の弦のように張り詰めていた。

彼の鋭い視線が一番近くの窓へと走り、水平線をなめるように走査している。まるで今にも、海からレヴィアタンそのものが飛び出してくるのを待ち構えているかのようだ。その反応に私の心臓は早鐘を打ち、乱れる呼吸を整えようと努めながら、何とか体を起こした。「レヴィアタン」というその名だけで、腹の底から原始的な恐怖が湧き上がってくる。ウェイクの表情を見る限り、それは単なる神話や比喩の話ではないのだ。

私は何とか声を絞り出した。「レヴィアタンって……一体なんなの?」

ウェイクは窓から目を離さない。「レヴィアタンを知ることは、俺たちの歴史を知...

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