第135章

コーラの書斎は暖かく、贅沢な装飾が施されている。壁際の書棚には海洋生物学、地震学、神話学の専門書がぎっしりと詰まっていた。部屋の隅を占める大きな机の上は、地図や海図、開かれたままの日誌で雑然としている。

潮の香りが漂い、古びた木の微かな匂いと混じり合っている。私は座り心地の良いアームチェアに身を沈め、その下で足を組んだ。一方、ウェイクは扉のそばに立ち、いつものように無言の番人(センチネル)を決め込んでいる。コーラは濃い琥珀色の液体を小さなグラスに注ぐと、机の向こう側に腰を下ろした。疲れているようだが、その瞳には集中力が宿っている。

「ネレイドは昔から今のようだったわけじゃないの」コーラは手...

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