チャプター 15

全ては一瞬の出来事だった。スタンの顔が怒りで歪み、引き金にかかった指に力がこもる。ウェイクはまるで自然の猛威のように動き出した。驚異的なスピードで、その強靭な脚が彼を前方へと突き動かす。私は横へと飛び込み、銃声が雷鳴のように轟くと同時に、甲板に激しく体を打ち付けた。

ウェイクは貨物列車のような凄まじい勢いでスタンに激突し、手から銃を弾き飛ばした。銃は甲板を滑り、瓦礫の山にぶつかって止まる。スタンは必死に抵抗し、ウェイクに向かって闇雲に拳を振るうが、マーマンの圧倒的な力の前に敵うはずもなかった。

「ウェイク!」私は叫び、慌てて立ち上がった。

三人が入り乱れ、銃を奪い合おうともつれ合う。船は...

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