チャプター 16

「あんたは化け物よ」痛みと恐怖の霞を焼き払うような怒りを込め、私は吐き捨てた。「それに、臆病者だわ」

彼は私の言葉になんの動揺も見せない。「それに、俺はクソほど金持ちになる予定だ」

「これ全部……偽の調査旅行を仕組んで、私たち全員を危険に晒して……すべて金のためだったの?」

彼は鼻で笑い、わざとらしく心外だという顔を作ってみせる。「ただの金じゃないぜ、お嬢ちゃん。政府のカネだ」

「私たちは宇宙で唯一の知的生命体を発見したのよ、このクソ馬鹿野郎」私は愕然とし、言葉を詰まらせながら言った。「お金なんてどうにでもなったはずよ。あんたの名前が入ったノーベル賞だって確実だったのに!」

スタンの...

ログインして続きを読む