第170章

アオへの道のりは長い。

ケイルが先頭を行く。その姿勢は硬いが、決意に満ちている。一方、コラは後方に控え、鋭い視線を影から影へと走らせていた。その動きに滲む緊張感が、彼女の警戒心を物語っている。数時間ほど進み続けた頃、遠くに微かな光が見え始めた。私の心臓が跳ねる。地下の都、アオはもうすぐだ。

「気を抜くなよ」ウェイクが低い声で唸るように言った。「俺たちは歓迎されてるわけじゃないんだ」

ケイルは答えず、ただ前を見据えている。光が強くなるにつれ、周囲の景色が一変した。左右には切り立った海底の断崖がそびえ立ち、その表面には生物発光するサンゴの群生が点在し、ほのかに揺らめいている。

やがて都の全...

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