チャプター 19

彼は部屋の中央にある巨大なガラスの円筒へと私を案内した。「マーブル」への完璧な眺めを遮る唯一の物体だ。驚いたことに、ピーターが円筒の前でIDバッジをかざすと、目に見えなかった入り口が開いた。

「エレベーター?」と私は尋ねる。

「ここ一番の特等席だよ」と彼は答えた。

エレベーターはシンプルでありながら美しく複雑な構造をしており、水族館の中心を貫くガラスのチューブからは、遮るもののない三百六十度の視界が広がっている。遠くにウェイクの姿を見つけ、私は喜びのあまり息を呑んだ。

その直後、ウェイクが私を見つけ、その黒い瞳が私の瞳を捉えて離さなくなると、私は呼吸の仕方さえ一瞬忘れてしまった。熱探知...

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