第240章

遭遇した衛兵は、私たちにほとんど関心を示さなかった。ただ短くぶっきらぼうに頷き、無言で背を向ける。まるで、私たちが来ることを待ち構えていたかのように。

私とウェイクは顔を見合わせる。彼の顎が強張り、手がピクリと震えるのがわかった。私を引き戻したい衝動、前方に待ち受ける何かから私を守ろうとする衝動と戦っているのだ。

「ショールと話がしたい」私は衛兵に告げる。「交渉の準備はできたと伝えてくれ」

それでも、返事はない。男はただ黙々と歩き続け、その軍靴の音が無機質な廊下に響くばかりだ。私は再びウェイクを見るが、彼は目を合わせようとしない。その暗い瞳を細め、ただ前方を見据えている。彼は、私の知らな...

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