チャプター 307

エステリスの門が開く。そこにはファンファーレのような派手さはなく、ただ洗練された優雅さだけがあった。

衛兵たちの動きは完璧に同調している。頭からつま先まで、繊細な金銀細工(フィリグリー)が施された鎧が輝いていた。徹底的に磨き上げられた鎧の鱗一枚一枚が周囲の光を捉え、足元の珊瑚が散りばめられた道に、きらめく雪のように光を投げかけている。彼らの槍には渦巻くようなルーン文字が刻まれており、実用的というよりは儀礼的なものに見える。ここにあるものは何一つ、戦争のためのものには見えない。それは芸術だ。生きた、呼吸するパフォーマンスなのだ。

だが……まるでライオンの檻に自ら足を踏み入れているような気分だ...

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