チャプター 312

世界がひび割れていく。

比喩ではない――文字通り、継ぎ目から裂けているのだ。それを感じる。聞こえる。見える。地球の溶融したマントルを通り、骨の髄まで凍りつくような深い振動が波紋のように広がっていく。それは単なる地殻変動ではない。もっと古く、もっと飢えた何かだ。

リヴァイアサンが目覚めたのだ。

最初は、奴の姿は見えない。ただ影だけが……存在してはならないほど深い闇が、あり得ない深淵のように海溝の下に広がっている。奴が動く圧力で山々は崩れ去る。海溝は陥没する。海は押しのけられて咆哮し、海水は星に届くほどの高さまで螺旋を描いて逆巻く。それでもなお、奴は浮上してくる。

頭上の空は――それが空で...

ログインして続きを読む