第三十三章

始まりは、鐘の音だった。

甲高く、狂ったように鳴り響くその音は、まるで弔鐘のように宮殿中にこだまし、音楽や煌びやかな喧騒、人々の息をのむ音を切り裂いた。かつて完璧だった舞踏広間が、その音圧で軋みを上げ、世界そのものが私たちに警告しているかのようだ。

頭上では、巨大なガラスのドームが震えている。

ショールは舞踏広間の中央に立ち、最初の影が海を切り裂く間も両腕を掲げたままだ。最初は微かな変化だった。頭上の海に広がる打撲痕のように。だが、次の瞬間――あまりに早く、あまりに不吉に――蝕が光を貪り食った。

「黙祷を」彼は静かに言った。「一つの時代の終わりに」

胃がねじれるような感覚。エーテルの...

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