第6章
綾人を見つめていると、胸の奥に不安が込み上げてきた。
「どういう意味?」
彼はしばらく黙り込んだ後、首を横に振った。
「今はまだ早すぎる。知るべき時が来たら、教えてやる」
私は眉をひそめ、さらに問い詰めようとしたが、彼の疲労の色が濃い顔を見て、結局口をつぐんだ。
小さくため息をつく。
「でも、これで全てが解決したわけじゃないわ」
綾人は訝しげに私を見た。
「どういう意味だ?」
「私の両親よ」私は極めて冷静な声で言った。
「婚約破棄には絶対に反対するはず。それどころか、あらゆる手段を使って私を従わせようとするわ」
翌日、案の定、建邦と美恵子が血相を変えて病室に...
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