第7章

 英男は凍りついた。

「どういうことだ……!」

 私の手にある指輪を凝視しながら、彼の声は震えていた。

「言葉通りの意味よ」私は静かに答えた。

「私、結婚したの」

「お前……どうしてそんな——」

「どいて」私は彼の言葉を遮った。

「帰るから」

 彼は私の行く手を塞ぎ、大きく息を吸い込むと、表情を一変させた。

「かすみ、少し冷静になれ。当てつけで言ってるのは分かるが、結婚は遊びじゃないんだぞ——」

「当てつけ?」私は思わず笑みをこぼした。

「私が当てつけで結婚したと思ってるの?」

 英男はそのまま続ける。

「俺が今まで至らなかったのは分かってる。いくらでも埋め合わせは...

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