第43章 お婆さんが隣に引っ越した

水原寧々も振り向いた。

来たのは藤原修一の秘書課長、岡田誠だった。

水原寧々は知らなかったが、岡田誠の方は彼女のことを知っていた。

とはいえ、岡田誠も水原寧々に初めて会うところだった。これがボスの妻なのだ。

先ほど水原寧々を侮辱した男性面接官はへいこらと笑みを浮かべた。「岡田秘書、どうしてここに?藤原社長から何かご指示でも?」

晨宇グループでは、岡田誠の地位は社長に次ぐも存在で、誰もが一目置いていた。

「ちょっと様子を見に来ただけだ」岡田誠は社長の意向だとは言わず、わざと面接テーブルに近づき、水原寧々のデザイン画を一瞥した。

岡田誠は男として、こうい...

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