第184章 徒に悩みを増やしたくない

この男が『自由』の名を口にした瞬間、林田知意の心臓は激しく締め付けられた。あの子は彼女にとって唯一の弱点であり、誰よりも自由の幸せを願っているのは、他ならぬ彼女自身なのだから。

だが皮肉なことに、自由の幸せの中には、どうしてもこの男の存在が必要不可欠だった。

「佐藤聡、よくも私の前で自由の話ができますね。あの子はもうこんなに大きくなったのに、今までの生活にあなたの影なんて少しもなかった。それなのに今さら現れて、私を困らせた挙句、自分だけ『いい人』ぶるつもりですか?」

その言葉を聞き、佐藤聡の胸に罪悪感が広がる。

自由はもう四歳だ。これまでの四年間、彼はその成長に一切関与してこなかった...

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