第297章 父の仇の墓参り

佐藤聡は前に歩み出ると、手にしていた花束を林田知意の両親の墓前に供え、深く一礼した。

「母さんと田中さんはもう向かった。俺は少し遅れても構わない」

林田知意は彼の誠実そうな表情を目の当たりにして、わずかに呆然とした。両親の墓と佐藤聡を交互に見比べ、あることに気がついた。

長年帰国していなかったにもかかわらず、墓がこれほど綺麗に保たれているのは、この男のおかげなのだろうか。

今日、佐藤聡がここへ来るとは夢にも思っていなかった。かつて佐藤家から追い出された時、彼女は佐藤聡から凄まじい憎悪を向けられていたはずだった。

自尊心を踏みにじるほどの、骨の髄まで恨むような相手の両親の墓参りに、ど...

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