第31章

「もちろん、お礼を言いたかったのよ。久しぶりに連絡したのに、こんな大きな問題をすぐに解決してくれたんだから、ちゃんと労わないとね」

「君こそ、何かあるときだけ連絡してくるんだね。僕のことを忘れてたのかと思ったよ。それにしても、数年ぶりに会ったのに、ビジネスの世界でこんなに堂々としているなんて驚きだよ」

林田知意が二ノ宮社長に直接会いに行く勇気があるなんて、普通の女性には真似できないことだった。

「長い年月で鍛えられたのよ。今日はあなたがいてくれて本当に助かったわ。いなかったら、解決できなかったもの」

田中翔太は自ら林田知意にコーヒーを注いだ。

「葉さんはアメリカでお元気ですか？」

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