第43章

「怖くないよ、ママが濡れたら自由も濡れるの。ママと一緒がいい」

そう言うと、林田知意の胸に無遠慮に飛び込んだ。林田知意は仕方なく彼女を抱き上げた。

「佐藤さん、厨房に生姜湯を二杯用意するよう指示しました。あなたも急いでバスルームで髪と体を乾かしてください」

自由は佐藤聡も全身ずぶ濡れになっているのを見て、心配そうな顔をした。

「パパすごい!本当にママを連れ戻したね」

林田知意は心の動揺を必死に抑えながら、自由の頭をなでた。

「ママに対して『連れ戻す』なんて言葉は使わないの。ママはただ久しぶりに雨に濡れて、若かった頃の気分を味わいたかっただけよ」

自由は口をとがらせた。林田知意が...

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