第46章

「だめよ、自由。早く外に出て佐々木さんと遊びなさい。ママは一人でゆっくりしたいの」

自由は本当なら言うことを聞きたくなかったが、今日はママの機嫌が悪いかもしれないと思うと、少し一人の時間を与えてあげた方がいいかもしれないと考えた。

「わかった、ママ。私はリビングで遊んでるから、どこか具合が悪くなったら絶対に教えてね」

林田知意は安心したように頷き、自由が出て行った後、一人で窓の外をぼんやりと見つめていた。

今は大雨もだいぶ小さくなっていたが、それでもまだ雨粒がしとしとと降り続けていた。

もう春愁に浸るような気分に身を委ねたくなかった。そんな気持ちは自由に深刻な影響を与えてしまうから...

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