第141章 幼い自分を見た

福江良平は電話を切ると、即座にSTグループを後にした。運転手にアンキラ国際学院へ向かうよう命じ、車中の人となる。

滑るように走る車内で、良平は深い思案に暮れていた。

強烈な違和感があった。

そもそも、雫は自分から見知らぬ人間に話しかけるような性格ではない。ましてや、自ら進んで誰かを探しに行くなど考えられなかった。

ただし、雫がその相手を知っていた場合は別だ。

良平は付き添いの家政婦に尋ねた。

「雫は、その相手を見つけたのか?」

「ええ、恐らくは。アンキラ国際学院に通う小さな男の子のようです。雫お嬢様は、その子に会ってから情緒不安定になり、大声で泣き止まなくなってしまって……」

...

ログインして続きを読む