第157章 胸の痛み

中村颯太はマークスの言葉を聞き、居たたまれなくなって顔を背けた。

確かに本心では、マークスの酔いに乗じて情報を引き出そうとしていたのは事実だ。

だが、ホテルで共に夜を明かしたことに関しては、完全に予期せぬ事故だった。

まさか事態があそこまで発展するとは、彼自身思いもよらなかったのだ。

あの夜、彼もマークスも泥酔していた。

もちろん、東誠南を恨むわけにもいかない。

東誠南が二人をホテルへ送り届けたのは、あくまで親切心からだ。バーに一晩中放置するわけにもいかなかったのだろう。

ただ、あの東誠南という男もどうかしている。なぜツインではなく、ダブルの部屋を取ったのか。

おかげで弁解の...

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