第159章 誰も知らない

水無月詩織は、もう一つの枕を掴むと、力任せに彼の頭へと投げつけた。

「千葉清美だなんて……!? わけがわからないわ、はっきり言ってよ! 私を呼び出したのはあなたのおじ様なのよ。どうしてあなたがここにいるの!」

福江翔也は飛んできた枕を必死に避けながら、弁解する。

「水無月さん、俺だってわけがわかりませんよ! 俺がここにいるのは、昨夜、千葉清美に呼び出されたからなんです。昨日の午後、彼女からメッセージが来たんですよ。『久しぶりに二人きりになりたい』『でも顔を見るのはまだ恥ずかしいから、明かりは消しておいて』って……。だから昨夜、あなたが入ってきた時、俺はてっきり彼女だと思い込んで――」

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