第166章 自分の幸せを犠牲?

福江良平は淡々とした口調で答えた。

「嫉妬などしていない。写真の男は山本教授の研究室の助手だ」

高橋北は驚いたように目を見開く。

「なんだ良平、あいつのこと知ってたのかよ。俺はてっきり、千葉清美の新しい彼氏かと思ったぜ。お前をからかってやろうと思ったのになぁ」

その言葉を聞いた福江良平は、再び冷ややかな視線を彼に向けた。

高橋北は肩をすくめる。

「そんな怖い目で見るなよ。もともと、千葉清美に対して不義理を働いたのはお前だろう? お前の隣にも、心の中にも、ずっと『雫ちゃん』という存在がいたからじゃないか。清美はあんなにいい女だったのに、どうして離婚なんてことになったんだか。最初から...

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