第175章 家族である

福江良平は、マークスの行方になど興味はなかった。

彼は鈴木舞に問いかけた。

「千葉清美はどうした? まさか、まだ来ていないのか」

鈴木舞の表情にも、不安の色が滲み始めた。

「先ほどマークスが電話した時は、レストランで軽く食事をしてから向かうと……二十分ほどで着くはずだと、そう言っていました」

鈴木舞は腕時計に視線を落とす。

「もうとっくに二十分は過ぎています。それなのに、清美はまだ現れない。私もマークスも、怖くて電話をかけられないんです。もう日は落ちていますし、運転中に電話に出て事故でも起こされたらと思うと……」

福江良平は携帯電話を取り出すと、車で二十分圏内にあるすべてのホテ...

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