第187章 彼女は妊娠した

使用人が水無月詩織に食事を勧めにやって来た。

「水無月様、今日一日ほとんど何も召し上がっていないではありませんか。お体を壊してしまいますよ。少しでも何かお腹に入れませんか。先ほど作り直したばかりですので、お口に合うとよろしいのですが」

水無月詩織は苛立ちを隠さずに手を振り、言い捨てた。

「食欲がないの。今はいいわ」

そう口にした瞬間、彼女はハッとした。

水無月詩織の脳裏に何かが閃き、ガバッとベッドから身を起こす。背筋を冷たい汗が伝った。

普段は健啖家なはずなのに、なぜ急に食欲が失せたのか。

冷静に振り返ってみれば、ここ数日は確かに調子が悪かった。食事を見ても箸が進まないどころか...

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