第222章 口論

雫は俯いた。

福江良平は彼女をきつく掴み、声を荒らげた。

「雫。早く教えろ!千葉清美はいつお前の治療をしたんだ?この間、アンキラ国際学院ではぐれた時のことか?」

あの時以外、雫のそばには常にベビーシッターやボディガードがついており、監視カメラの目もあった。千葉清美が彼女と接触する機会など、あるはずがなかった。

だがその時、綸がアンキラ国際学院の監視カメラシステムをハッキングした。そのわずかな時間の中で、雫は姿を消したのだ。

福江良平の問いに、雫はこくりと頷いた。

不安げな瞳で彼を見つめる。

「お兄ちゃん、私のこと怒る?」

福江良平は怒りを抑え込みながら答えた。

「怒らない」...

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