第247章 激しく

水無月詩織は怒りで全身を震わせていた。

千葉清美。また千葉清美だ。あの女は、いつもこうして執拗に付き纏ってくる。

福江お婆さんが部屋に入ってくる。

「水無月詩織、どうしたの? 良平は電話に出た?」

水無月詩織が口を開く間もなく、福江博が入ってきた。

「母さん、一緒に招待客へ説明しに行ってくれないか。良平が来ないと言っている。婚約式は中止だ」

福江お婆さんは驚きを隠せない様子だった。「段取りはすべて整っているのに、どうして来ないの?」

「理由は言わなかった。まずは招待客を宥めに行こう。笑い者にされるわけにはいかない」と、福江博が促す。

水無月詩織はがっくりとソファに座り込んだ。...

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