第261章 悲報

福江翔也はその場から一歩も動かなかった。彼は水無月詩織の腕を引き寄せ、すっぽりと自分の腕の中に閉じ込める。

詩織は顔を上げ、彼を見つめた。

「翔也、どうしたの? なんだか変よ」

翔也は彼女の顎をそっと持ち上げ、少し掠れた声で囁いた。

「水無月先生、どうして俺の部屋になんか行くんですか? 話なら、ここでいいじゃないですか。どうせ誰も来ませんよ」

水無月詩織の瞳は、まるで釣り針のように彼を絡め取っていた。

「ここで話すのは構わないわ。でも、部屋の中でないとできないこともあるでしょう」

翔也の目の色がサッと変わった。

「……何のことですか」

詩織は意味深な視線を彼に投げかける。

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