第262章 断罪

福江良平はうつむき、全身の力が抜け落ちたようだった。彼はしゃがれ声で問いかけた。

「中に入って、母に会っても構わないか」

医師が答える。

「ええ、もちろんです。間もなく霊安室へ移されますので、最後のお別れをしてあげてください」

福江良平は立ち上がり、ゆっくりと中へ足を踏み入れた。その足取りはひどく重かった。

母は生涯彼のことばかり考えてくれていたのに、自分はろくに笑顔一つ見せたことがなかった。言葉を交わす時も、いつも冷たい顔ばかりしていた。

胸の内に渦巻くのは、激しい後悔と自責の念、そして深い苦悩だった。

もう、彼に母はいない。

母の目は大きく見開かれ、信じがたいものを見たか...

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