第290章 火に油を注ぐ

千葉清美には、もはや星空を眺め続ける気力など残っていなかった。彼女は目を閉じたまま、福江良平の胸にさらに身を寄せ、気怠そうに呟いた。「星なんていいわ……もう目が開かない。寝ましょう」

そう言い終えるや否や、彼女は彼に寄りかかったまま眠りに落ちた。

福江良平は、そんな彼女の甘えるような姿を見て、首を振って軽く笑った。彼は彼女の膝裏に片腕を差し込み、横抱きにしてゆっくりと民宿へ戻った。

フロントにはまだオーナーが座っており、近づいてくる彼を見て、慌ててドアを開けてくれた。

福江良平は足を止めることなく、そのまま彼女を部屋まで抱きかかえ、ベッドの上に横たえた。靴と靴下、上着を脱がせ、布団を...

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