第461章 ゆすり

雲田卓央が受付カウンターへ歩み寄り、用件を告げて福江良平に会わせてほしいと言いかけた、その瞬間だった。フロントの華やかな受付嬢は彼を完全にスルーし、背筋をぴんと伸ばして、きらりとした目で彼の背後を見つめると、恭しく声を張った。

「福江社長!」

雲田卓央ははっとする。この場所で「福江社長」と呼ばれる人間など、ひとりしかいない。

慌てて振り返ると、背の高い男が人垣に囲まれ、回転扉へ向かって歩いていた。

雲田卓央は叫んだ。

「福江良平!」

——今日は運がいい。雲田卓央はそう思った。もし一階で福江良平に鉢合わせていなければ、そもそも会う機会などなかった。受付が通してくれるはずがないのだ。...

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